法定相続情報証明制度が始まります
法定相続情報証明制度が始まります。
平成29年4月17日に公布し、平成29年5月29日に施行されます。
この制度の趣旨は、土地や建物の相続登記がなされずに放置されることを抑止し、
相続登記を促進するために、創設されました。
所有者不明土地問題や空き家問題
近年、所有者不明土地問題や空き家問題が増加しています。
個々人で解決すべき問題を越えて、社会問題化しつつあります。
◎ 所有者不明土地問題とは、
例えば、土地を分筆しようと考え、隣接地の土地所有者に境界の確認を求めようと調査したところ、
相続登記が放置されていて、相続人が見つからない。
このために分筆登記が進まない、などの問題です。
◎ 空き家問題とは、
例えば、老朽化した空き家を取壊して欲しいと願う等の近隣の人の要望に対し、
空き家の所有者を調査したところ、
相続登記が放置されていて、相続人が見つからない。
見つかっても、法定相続人が多人数で、解決のための話し合いが進まない。
このために空き家が放置され、近隣の人に迷惑が及んでいるという、などの問題です。
上記の問題は、様々な要因がありますが、
土地や建物の相続登記がなされずに放置され、増加していることが、
問題の一因と指摘されています。
相続登記の促進
相続人が、法定相続情報証明制度を利用することで、
登記官が相続人に相続登記のメリットを説明するなどをして、相続登記の申請を促します。
被相続人名義の預金の払い戻し
被相続人名義の預金の払い戻しを受ける際、
戸籍謄本等の多くの書類を銀行に提示する必要があります。
預金払戻し手続きをいくつもの金融機関で行わなければならない場合、
そのつど戸籍謄本等の書類の束を金融機関に提示し、
返却を受けるということを繰り返すことになります。
法定相続情報証明制度を利用し、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることで、
戸籍謄本の束の代わりに法定相続情報一覧図を提出することが可能になります。
このことで相続人や相続を確認する金融機関双方の負担の軽減につながります。