法定外公共物・旧法定外公共物
■Question
自宅を建て替えようと思い建築士さんに相談したところ、自宅の敷地の中に「里道」が通っていることがわかり、このままでは家が建築できないと言われました。どうすればいいでしょうか。
■Answer
ご自宅の敷地(あるいは公図上の敷地)の中に、法定外公共物、もしくはすでに機能をしていない旧法定外公共物が残っており、建築基準法を満たす有効な敷地面積が確保できていない可能性があります。
その里道が現在公共の用をなしていない(誰も通路として使っていない)ことが確認できれば、管理している自治体に対して「公用廃止」を求め、可能であれば国や市町村から土地を買い取る「払下げ(売払い)申請」を行うことで解決できます。
◎法定外公共物とは
私たちが日常利用している道路や水路、池などのうち、個人の所有ではない公共の財産を「公共物」と呼びます。
このうち、道路法、河川法、下水道法などの特定の法律に基づいて国や自治体が管理しているものを「法定公共物」といいます。一方で、これら法律の適用や管理の定めを受けていない公共物の土地のことを「法定外公共物」と呼びます。
身近な例でいうと、昔から田んぼや畑の間にあった「あぜ道(里道・赤線)」や「農業用水路(水路・青線)」などがこれに該当します。
法務局で公図を取得すると、地番がついておらず、空白のまま「道」や「水」と記載されている場所がこれにあたります。
- 「道」: 昔の農道やあぜ道にあたる「里道(りどう)」
- 「水」: 小さな農業用水路や排水路にあたる「水路(すいろ)」
現在、これらの法定外公共物の管理権限は、国から各市町村(自治体)へと移管されています。
◎旧法定外公共物とは
公図上に「道」や「水」という記録があっても、すでに現地には道路や水路の形跡が全くなく、事実上農地や宅地の一部として取り込まれてしまっている土地のことを「旧法定外公共物」といいます。
※かつては財務局(国)の管轄でしたが、地方分権一括法により、機能を有していない旧法定外公共物であっても、原則として現在はすべて地元の市町村へ管理権限が譲与・移管されています。そのため、手続きの窓口は市町村になります。
| 区分 | 定義・概要 | 現在の管理窓口 |
|---|---|---|
| 法定公共物 | 道路法や河川法などの法律で管理が定められている道路・河川 | 国・都道府県・市町村 |
| 法定外公共物 | 法律の適用がない道路・水路で、現在も実際に道や水路として機能している土地 | 各市町村 |
| 旧法定外公共物 | 法律の適用がない道路・水路で、すでに現地では機能が失われ宅地等になっている土地 | 各市町村 |
◎解決(買い取り・払下げ)までの具体的な流れ
敷地内の里道・水路を解消してマイホームを建て替えるには、土地家屋調査士をはじめとする専門家を通じて、以下の手続きを段階的に進めます。
- 境界確定測量: 対象の里道・水路の正確な位置と面積を確定させるため、隣接する土地所有者および市町村の担当者と現地で立会いを行い、境界を確定します。
- 公用廃止申請: 市町村に対し、「この里道(水路)は既に公共の目的としては使われていません」ということを認め受けてもらう申請を行います。
- 払下げ(売払い)申請: 公用廃止が認められ通常の市町村有地となった土地について、売買契約を結んで買い取り(払下げ)を行います。
- 登記手続き: 買い取り完了後、新しく地番をつけて表題登記を行い、ご自身の名義へと所有権移転登記をすることで、完全にあなた自身の土地になります。
公図に「道」や「水」の文字を見つけてお困りの際は、調査から測量、申請手続きまで一貫して対応可能な当事務所へお気軽にご相談ください。
