公図とは
■Question
登記所で公図の写しを受け取りましたが、実際の土地の形と違います。どういうことでしょうか。
■Answer
法務局には、土地の位置、形状、地番、隣地との境界などを
確認することができる図面が備え付けてありますが、それには次の2種類があります。
1.地図(14条地図)
2.公図(地図に準ずる図面)
◎地図(14条地図)
国土調査の1つである地籍調査によって作成された地図が、14条地図です。
正式には、不動産登記法14条1項地図と言います。
市町村などが実施主体になって、土地所有者と立会をし、地番、地目を確認して、境界の位置と面積を測量して、得られた成果を法務局に地図(14条地図)として備えています。
基本的には、地図(14条地図)は精度が高く、土地の境界が不明となっても、現地の境界を復元することが可能とされています。
しかし、早い時期の地籍調査で、測量成果が散逸している地域もあり、そのような地域の地図は、復元性に劣ります。
14条地図は、地域によって整備されている状況が大きく異なり、大都市ではその整備が遅れています。
この地図(14条地図)が整備されるまでの間は、地図に準ずる図面、いわゆる公図を利用するものとして、公図(地図に準ずる図面)が法務局に備え付けられています。
◎公図(地図に準ずる図面)
公図(地図に準ずる図面)は、距離、角度、面積などは、あまり正確ではありません。
公図(地図に準ずる図面)は、和紙で作製された旧公図を写し取った図面です。
和紙公図は、明治の地租改正の時に作成された地図がもとになっています。
明治の時は、測量技術が未熟であったこと、
急いで地租改正事業をする必要があったこと、
等、様々な要因のため、測量の精度は低いものが多数あります。
公図(地図に準ずる図面)は、測量の制度が劣るため、距離、角度、面積などは不正確ですが、
公図(地図に準ずる図面)は、境界が直線かどうか、隣接地との位置関係は比較的正確で、
地図(14条地図)がない場合の資料として、大切な役割を果たしています。
公図(地図に準ずる図面)は、明治の地租改正時に、地租(税金)を納める土地として、1筆ずつ確認し、記録した図面です。
課税のための基礎資料であるので、田畑であるか宅地であるか、水路や里道が通っているかなど、土地の利用状況や地形的な特徴を記録したものです。
その成り立ちから、公図(地図に準ずる図面)は、土地の距離、角度、面積などを確かめるには不正確ですが、土地の位置や形状を確かめ、土地を特定する資料として、優秀な資料となります。
よって、現在でも土地を確認する資料として重視されています。
公図を取り扱うときには、現実にある土地の形状と比較し、公図が正しいか誤っているか、もしくは、現実の土地の形状が正しいか誤っているかを検討します。
公図に誤りがある場合は、地図訂正の申出を法務局に行い、地図訂正を行います。
公図が正しくて、現実の土地の占有範囲が公図と違っている、という場合もあります。
いずれにしても、公図に誤りがあるからと言って、公図を無視し、不動産を取引することはあり得ません。
公図を確認し、土地の確認することが必ず必要です。
公図の取得
公図は法務局に備えられています。
申請によって、下記の図の公図の写しを取得できます。
公図は、土地の地番に基づいて取得します。
土地の地番がわからず、住所がわかる場合は、住所を頼りに地番を調べます。
ブルーマップという地図があり、ブルーマップには、住所地番と土地の地番が併記されています。
下の図がブルーマップです。
例えば、ブルーマップの真ん中あたりで、住所地番が18番19号の場合、土地の地番は、204番1、204番4、204番5、204番6のいずれかということがわかります。
法務局には、ブルーマップが備えられており、閲覧することができます。