土地境界確定測量
土地境界確定測量は、隣接地との土地の境界を確定し、境界標を設置し、図面に記録する一連の測量業務のことを言います。
土地の境界確定測量は、
◎土地の売買に先立ち、隣接地との境界を確定させることで、
土地の境界の問題や相隣関係の問題を解決させる。
◎土地の売買や相続にからみ、土地を分筆する必要があるため、
あらかじめ土地の境界を確定させておく。
◎将来の土地の利用や処分に備えて、子や孫のために、
土地のいきさつに詳しい者が、土地の境界を確定させておく。
◎開発許可申請や建築許可申請にからみ、
道路や里道、水路などの公有地との境界を確定させる必要がある。
上記のような土地の処分にかかわる重要な事柄に、土地境界確定測量は関係します。
土地境界確定測量が困難になる場合
1. 隣接地所有者が見つからない。
土地の境界確定には、隣接地所有者との立会いが必要です。
隣接地所有者が見つからなければ、立会いができないので、境界確認ができません。
所有者不明土地ということで、社会問題にもなっているように、最近増加しています。
2. 相隣関係のトラブルがある。
お隣とトラブルがある場合は、土地の境界の立会に協力してくれません。
土地の境界線が未確定の場合、お隣さんの協力が得られなければ、境界確認ができません。
相隣関係のトラブルが深刻であれば、境界の立会、協議によって境界を確認することは非常に困難です。
3. 隣接地所有者との主張に相違がある。
互いの主張が違う場合は多々あります。土地家屋調査士は、調査、測量によって妥当な境界線を示したり、もしくは境界線の範囲をしまします。この調査、測量を参考にし、土地所有者はお互いに協議をし、境界線を決めます。
ところが、お互いに譲れない線がぶつかり合ったときに、協議で、境界線は決まらなくなります。
例えば、土地区画整理地で、境界線は決まっているのにかかわらず、土地の占有の範囲を土地の境界線と主張される場合は、境界を確定することが困難になります。
4. 要求される書面の提出ができない。
国の管理する道路や公共物との境界の確定を行う場合、国は隣接する民地の土地所有者の印鑑証明書を求める場合があります。
隣接する民地の土地所有者から印鑑証明書の提出を受けることができなければ、国の管理する道路や公共物との境界の確定ができません。
協議により境界線は決まったけれども、境界確定はできないという宙ぶらりんの状態に陥ります。
5. 地図訂正ができない。
法務局に備えられている公図に誤りがあり、その公図が訂正できない場合があります。
現地の隣接地土地所有者すべてと立会を行い、境界確定協議が完了したにも関わらず、地図訂正ができないために、地積更正登記ができない場合があります。
そのため、境界確定協議が完了したにも関わらず、その成果として、正しい公図が作成できず、また、地積測量図を作成できない場合があります。
土地境界確定測量が困難になる場合の解決方法
1.筆界特定制度を利用する。
2.ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する。
3.境界確定訴訟を提議する。
上記3つの解決方法を検討することになります。
費用対効果を検討し、費用が過大になるようであれば、解決を将来にゆだねる場面が生じます。