合筆登記、制限事項
接続しない土地
当然のことですが、離れている土地は合筆できません。
地目を異にする土地
宅地と雑種地は合筆できません。
一筆の土地に複数の地目の記載を認めていないためです。
いずれかの現況地目を変更し、地目を同じにした後に、地目変更登記をして、合筆することになります。
字を異にする土地
たとえ互いに接している土地であっても、一丁目と二丁目の土地は合筆できません。
所有名義人の異なる土地
もしこれができたら他人の土地を勝手に合筆して自分の土地にしてしまう、という
とんでもないことが可能になってしまいます。
持分の異なる共有名義の土地
共有持分比がわからなくなってしまいます。
合筆後の土地の持分を共有者が示したとしても合筆は認められません。
まずは共有者の持分比率を同じにする持分移転登記をした後で合筆することになります。
担保権(抵当権、質権、先取特権)のある土地
担保権のある土地は原則として合筆できません。
ところがまったくだめではなく、例外があります。
担保権の登記申請の受付年月日、受付番号などが同じの共同担保の関係にある土地は合筆できます。
後から、片方の土地に追加担保して、共同担保になっている土地は、合筆できません。
受付年月日、受付番号が異なるので、異なる担保権との扱いになるためです。
地役権のある土地
承役地は合筆できます。要役地は合筆できません。
承役地とは地役権で使用される土地、要役地とは地役権で利益を受ける土地です。
つまり地役権で通路を設置している場合、通路側の土地は合筆できますが、
通路を利用する人の土地は合筆できません。
その他の制限事項
差し押さえなどの処分の制限
所有権の仮登記
信託の登記
敷地権である旨のある登記
破産の登記
これらの登記のある土地は合筆できません。
実務では、数筆の土地を合筆し、新たに分筆線をひくということをよくします。
販売もしやすいし、管理も簡単になるためです。
しかし合筆には制限があるので、簡単に合筆と行かない場合があります。