表題登記 所有権保存登記
■Question
建物を新築しました。建物の表題登記が必要といわれましたが、どういうことでしょうか。
■Answer
◎表題登記
私たちの土地や建物は、法務局に登記され、法務局に備え付けられた登記簿に記載されています。
登記簿は、表題部と権利部(甲区、乙区)から成り、
表題部には、不動産を特定する事項が記載されています。
土地は、表題部に、所在、地番、地目、地積、登記原因および日付が記載され、
建物は、表題部に、所在、家屋番号、種類、構造、床面積、登記原因および日付が記載されます。
この表題部を作成する登記が表題登記です。
◎所有権保存登記
表題登記が完了した後、所有権保存登記をします。
所有権保存登記をすることで、権利に関する登記ができます。
例えば、建物を売買したり、相続で土地を譲り受けたりし、不動産の名義を変更することは、
権利を移転する登記-所有権移転登記-をすることになります。
所有権保存登記がなされると、抵当権設定登記をすることが可能になります。
抵当権設定登記は、権利部の乙区に記載されます。
建物表題登記
◎どんな特に建物の表題登記が必要か
1.建物を新築したとき
2.未登記の建物を登記するとき
このような場合に建物の表題登記を行います。
表題登記を行うと、建物の登記簿が作成され、登記簿には、
建物の所在
家屋番号
種類
構造
床面積
原因及びその日付
所有者の住所と氏名、 が記載されます。
◎建物表題登記に必要な書類
1. 所有権証明書 新築した建物の所有権を証明する書類です。
建物表題登記の申請に際しては、2種類以上の所有権証明書の添付が求められます。
新築した建物であれば、建築確認通知書、検査済証、工事完了引渡証明書などを申請時に添付します。
2. 住所証明書
建物の所有者となる人の住民票を申請時に添付します。
3. 委任状
申請人本人が申請するのではなく、代理人に申請手続きを委任する場合に、委任状を添付します。
4. 建物図面、各階平面図
建物図面には、
建物の建っている土地の形状および、地番
隣接地の地番
建物の1階の形状
方位などを、記載します。
各階平面図には、
各階の形状および、辺長、
1階の形状、
床面積などを、記載します。
建物図面、各階平面図は、記載する形式が細かく定められており、
その形式通りでないと登記申請が通りません。
本人申請を行った場合、この図面の作成は相当難しいと思います。
5. 申請書
申請書には、建物の所在地番、種類、構造、床面積、新築年月日、所有者の住所氏名、代理人の住所氏名などを記載します。
法務局には、登記相談窓口が設置されていますので、登記相談を行い、事前に申請書類を見てもらうことが可能です。
申請書は、法務局に直接提出するか、書留郵便で郵送することも可能です。
申請書の不備があった場合は、法務局から連絡があり、その際は、法務局に出向き補正をする必要があります。
今では、オンライン申請が進んでおり、資格者代理人によるオンライン申請であれば、登記が迅速に処理されます。
建物の新築登記にあたり、銀行の融資を受けるのであれば、
融資の決済日に必ず建物表題登記を完了させる必要があるので、
銀行の融資を受ける場合は、土地家屋調査士に表題登記を依頼するのが賢明です。
土地の表題登記
1.土地を埋め立てたり、土地が隆起して新たな土地が生じたとき
2.未登記の土地を登記するとき
このような場合、土地の表題登記をします。
国有地が用途廃止され、払い下げを受ける場合に、
国有地は登記されていない場合が多いので、土地の表題登記を行います。